悩めるママの子育て徒然日記

30代主婦 三児の母 趣味は料理、散歩、読書 旦那さんからは『悩むことが趣味』と言われている

休み時間の過ごし方

 最近、我が家の夕飯時は賑やかだ。子供ちゃん達がそれぞれ小学校と幼稚園へ行くようになったから、食卓では、今日、何をしてきたのかが話題になる。

 早速、上の子ちゃんに「今日は学校で何をしたの?」と質問すると、下の子ちゃんが聞いてと言わんばかりに、身を乗り出してきた。

「お人形遊びとおままごと」

「お友達と遊んだの?」

「うん」

「楽しかった?」

「うん」

「よかったねえ。その子のお名前、分かる?」

「わかんない」

「そっか」

 どうやら、まだ、名前を呼び合うという仲ではないようだ。

 先生からは、まだ子供たち同士、個々で遊んでいると聞いている。なので、まあ、これから、ゆっくり仲良くなっていけばいいかなと思う。

 下の子ちゃんは、それから、今日、幼稚園で習ったという歌を披露してくれた。

 上の子ちゃんが「それ、私も幼稚園で習った」と言い、一緒に歌い出す。

 二人が楽しそうに歌うから、聞いてる私もなんだか楽しくなってくる。

 二人が歌い終えた後、もう一度、上の子ちゃんに話を振ってみる。

「上の子ちゃんは何したの?」

「国語を1ページやった」

「どんなことをしたの?」

「ピンクの傘を持っている子はどれでしょうとか」

「上の子ちゃんは見つけられた?」

「うん。それで、手を挙げた!」

「すごいね。手を挙げられたんだ」

 うん、と、上の子ちゃんが得意気に頷く。私はその様子にホッと胸を撫で下ろす。

 上の子ちゃんはどちらかというと、環境の変化に敏感で慣れるまでに時間がかかる。

 幼稚園に入園したときは、幼稚園生活に慣れるまで、随分苦戦していた。

 でも、今の上の子ちゃんからは全くそのような感じがしない。

 幼稚園でしっかり揉まれ、知らぬ間に頼もしくなっている。

「じゃあ、休みの時間は何をしているの?仲のいいお友達とおしゃべりしたりするのかな?」

「う~ん」

 上の子ちゃんが少し考え込む。

「おしゃべりは席の近くの子としかできないから・・・」

 私は上の子ちゃんの意外な答えに、「えっ。そうなの?」と少し驚く。

「席を立っておしゃべりしに行っちゃいけないの?」

「みんな、してない」

「じゃあ、みんなは何をしているの?」

「お外へ行くか、席に座って近くの子とおしゃべりするか、本を読んでる」

 なるほど、と私は頷く。

 私の知っている休み時間の過ごし方とは、少し異なるようだ。

 もしかして、コロナの関係で先生から指導を受けているのだろうか。

 一応、聞いてみる。

「先生に休み時間はそうするよう言われているの?」

「そうじゃない」

 じゃあ、どういうことなのだろう。頭の中に疑問を残しつつ、もう一つ気になることを聞いてみる。

「それで、上の子ちゃんは何をしているの?」

「難しい計算を考えてる」

 よく分からない。おそるおそる聞いてみる。

「それは一体何だろう?」

「例えば、24×7」

「・・・」

「まず、4×7=28だから、2が上にいって・・・」

 上の子ちゃんが説明を始める。私は黙って、上の子ちゃんの説明を聞く。そして、上の子ちゃんが答えを出したのを見計らって、聞いてみる。

「それ、頭の中でするの?」

「うん」

「それ、面白い?」

「うーん。面白いというよりは、暇だから」

 そっか、と私は相づちを打つ。そして、心の中で、あなたは時間つぶしに、計算ができるのね、と呟く。

 私は時間つぶしに計算しようなどとは思いつかないから、その心境が全く分からない。

 ふと、子供の頃、母にやらされていたゲームを思い出す。電車の待ち時間、切符に印刷されている4つの数字と+などの計算記号を使って、答えを10にするのだ。その時々によって、どちらが早くできるかだとか、どちらが多く10になる式を作れるかだとか、勝つ条件が変わる。

 母は私を巻き込んで嬉々としてやっていたけれど、私は物語を考えている方が楽しかったから正直、迷惑だった。

 だから、まさか、上の子ちゃんがそういう子に育つなんて思わなくて、ちょっぴり驚いている。

 もしかして、上の子ちゃんなら、母のゲームを面白がってやるのだろうか。

 私も一緒にはごめんだけれど、今度、電車に乗る機会があったら教えてみようかな。

 

 それにしても、時間のつぶし方って、本当に人それぞれ違うのね、などと、改めて思わされたのだった。

 

 学校での休み時間の過ごし方が少し気になって、後日、先輩のお母さんに聞いてみた。今年は分からないけれど、去年までは自由に過ごしていたよ、とのことだった。だから、もしかしたら、まだ、みんな、どう過ごせばいいのか、戸惑っているのかもしれないね、と。

 確かに、始まったばかりだから、みんな周りの様子を伺っているのかもしれない。もう少し時間が立てば、きっと、みんな打ち解けて、休み時間はもっと賑やかになるのかな。

 入学するまでは、お友達ができるのかなと心配していた上の子ちゃん。始まってみれば、少しずつ友達の輪が広がっているようだ。大変なことも色々あるだろうけれど、まずは一年間、楽しく過ごすことができるといいね。