悩めるママの子育て徒然日記

30代主婦 三児の母 趣味は料理、散歩、読書 旦那さんからは『悩むことが趣味』と言われている

夜のお買い物

 買い物へ行った。

 子供ちゃん達も一緒だ。

 コロナ禍になるまでは、当たり前のように家族みんなで買い物へ行っていた。

 今は、仕事帰りの旦那さんに、全部お任せしている。

 だから、私も子供ちゃん達も本当に久しぶりのお買い物だった。

 今回の一番の目的は、上の子ちゃんのスクール水着だ。

 さすがに、着てみないと合うサイズが分からないから、一緒に連れて行くことになったのだ。

 ついでに、他にいる物をリストアップしていく。

 気づけば、あっという間にメモ用紙が埋まっていた。

 これ、全部、揃えられるかな・・・。

 買い物に行くことを伝えた際の、子供ちゃん達のはしゃぎっぷりを見ていると、まあ、無理だろうなあ、と予想がつく。

 

 買い物は、夕食後に行く。

 お店にあまり人がいないからだ。

 一応、三回、コロナワクチンの予防接種は打った。

 けれど、私も、そろそろ妊娠後期。

 妊娠後期は特に免疫が下がって重症化しやすいらしいので、警戒している。

 子供ちゃん達はお店に着くと、我先にと駆け出していく。

 まずは、入り口でアルコール消毒。

 お店の中に入ると、早速、展示してあるものを物色してゆく。

「ママ。この服いいんじゃない?」

 下の子ちゃんが、私に細身の可愛らしい服を勧めてくる。

 いや、ママ、今、お腹大きくて着られないよ・・・。

 目的地は一つ上の階なので、エレベーターに乗ることにする。

「こら、こら。エレベーターに乗りますよ」

 散り散りになる子供ちゃん達を集めて、エレベーターに乗せる。

「あっ。アイスクリーム!」

 エレベーター内に掲載されている、フロアマップを見ていた上の子ちゃん。

 真っ先に反応した文字は、サーティー〇ンのアイスクリーム。

「アイス、食べたい。食べたい」

 下の子ちゃんも一緒に騒ぎ出す。

 なかなか来られないし、食べさせてあげても良いかな。

 気持ちは一瞬揺らぐけれど、心を鬼にする。

 そもそも、閉店ぎりぎりの時間に来ているのだ。

 食べていたら、それだけで終わってしまう。

 あくまで、今日の目的は、上の子ちゃんの水着だ。

 上の階に着く。

 エレベーターの扉が開くと、真っ先にゲームセンターが見えた。

 子供ちゃん達の足が止まる。

「早く。行くよー」

 下の子ちゃんはついてくるけれど、上の子ちゃんは釘付けになったまま、微動だにしない。

 どんどん、私達との距離が離れていく。

「水着、買えなくなるよー」

 上の子ちゃんが渋々といった感じで、歩き始める。

 着いたお店は閉まっていた。

 学校関連の物が置いてあるお店だ。

 ただ、中を覗いてみると、制服や体操服はあるが、水着らしきものは見当たらない。

 このお店に行く途中で、スクール水着のコーナーが設けられていたことを思い出す。

 学校からの指定もないし、そちらで良いのかもしれない。

 売り場の店員さんに聞いてみると、水着は基本、そのコーナーで取り扱っているようだった。

 早速、水着が展示してあったコーナーへ引き返し、水着を選ぶ。

 といっても、スクール水着だから、色もデザインも限られている。

 上の子ちゃんにどれがいいかを確認し、試着してもらう。

 その間に、下の子ちゃんは自分の水着を選んでいる。

「これ、どうかな」

 残念ながら、小学生用なので下の子ちゃんのサイズに合う水着はないし、そもそも、下の子ちゃんには上の子ちゃんのお古がある。

 これって、下の子の定めだよな、と思いつつ、ちょっと下の子ちゃんが可哀想になる。

 上の子ちゃんの水着のサイズを確認する。

 上の子ちゃんはノリノリで、試着室の鏡の前で一丁前にポーズまで取ってみせてくれる。

 サイズを決めて、試着室を出る。

 下の子ちゃんが、何やら手に持っている。

 どうやら、下の子ちゃんはめげていなかったらしい。

 私の目の前に、ビーチサンダルを突き出す。

「ママ、これ欲しい」

 水着の試着が終わった上の子ちゃんも、それを見て、「欲しい」と言い出す。

 そして、「どこにあったの?」と、私が止めるのも聞かず、ビーチサンダルの置いてある場所へ行ってしまう。

 上の子ちゃんがビーチサンダルを選んでいる。

「待って。それ、いつ履くの?」

 一応、確認する。

 小学校や幼稚園に履いていけないし、夏休みに公園へ行くときだろうか。

 でも、たいてい、公園へ行くと、子供ちゃん達は砂場で遊ぶから、サンダルでは砂まみれになってしまう。

「海に行くんだよ」

「そう。海に行くの!」

 ・・・いつ、行くんだ?

 子供ちゃん達の答えに、戸惑う私。

 今年の夏休み?お腹大きいのに?海?行けるのか、私・・・。

 いや。そもそも、「今年、海へ行こう」と言った覚えすらない。

「行けるにしても、一回くらいだろうし、そのためにサンダル買うのも、ね」

 子供ちゃん達は、特に下の子ちゃんは不満顔だ。

 困ったな。

 そこで、ふと、いいことを思いつく。

「そうだ。下の子ちゃん、長靴探そう!」

 下の子ちゃんの長靴は、ボロボロだ。

 上の子ちゃんのお古だからではない。

 下の子ちゃんはなぜか、長靴が大好きで、幼稚園に入るまでずっと、外出の際は長靴を履いていた。

 もちろん、公園で遊んでいる時も、だ。

 そのおかげで足が鍛えられたのか、下の子ちゃんは走るのが結構速い。

 予定外ではあったけれど、みんなで長靴コーナーへ行く。

 意外にも種類が少なくて、下の子ちゃんの好きな色がない。

「また、今度、違うところで買おうか」と提案してみる。

 下の子ちゃんは首を横に振り、「これで良いよ」と並べてある一つを指さす。

 それから、もう少しだけ子供ちゃん達の日用品を揃える。

 その間にも、子供ちゃん達の「これ買って」攻撃が炸裂する。

 結局、メモ紙に書いた物の半分も買えず、家に帰ることにした。

 できれば、夏に生まれてくる子の日用品とか、私が産院に入院するときに必要なものとかも買いたかった。

 でも、そんな余裕は全くなかった。

「もし、お休みが取れたら、平日に買いに行かない?」

 旦那さんに提案する。

 そうしないと、全部買い揃える前に、出産になってしまう気がする。

 

 車に乗り込んで、時計を見ると、思っていたよりも時間が遅くなっていた。

 上の子ちゃんが「眠い~」と言い始める。

 そりゃあ、散々、はしゃいだのだもの。

 できれば、ママはもっと早く帰りたかったよ。

 私も疲れたのか、お腹が少し張って、気持ちも悪くなってきてしまう。

 家に着くと、旦那さんが子供ちゃん達をお風呂に入れてくれた。

「今日のお買い物、とっても楽しかったよ」

 お風呂から、子供ちゃん達の声が聞こえてくる。

 そんなこと言われてしまうと、大変だったけれど、連れて行って良かった、なんて思えてしまうから不思議だ。

 

 休日、旦那さんがちょっとでも外出しようとすると、それを察して、一緒に連れて行ってもらおうと準備する子供ちゃん達。

 お出かけすることに、子供ちゃん達は飢えている。

 この数年間、出かけたところと言えば、旦那さんの実家と私の実家と私の祖母の家くらい。

 でも、本当は、子供ちゃん達を連れて行きたいところが沢山ある。

 子供ちゃん達が少しでも喜びそうだなっと思ったところは、全部、ファイリングしてあって、そのファイルはパンパンに膨らんでいく一方だ。

「コロナが終わったらね」

 合言葉のように何度も繰り返して言っていたから、いつしか、子供ちゃん達も「どこか行きたい!」と言う前に、必ず『コロナが終わったら』を付け加えるようになった。

 そして、それらはまだ、一つも実現していない。

 段々と夏休みが近づいてきている。

 私にとっては、一番注意すべき時期だ。

 でも、二人とも、きっとどこか出かけたいだろうな。

 そう思うと、チクリと胸が痛む。

 せっかくの夏休み。

 できれば、子供ちゃん達に楽しい思い出を作ってあげたいけれど。

 何か、いい案はないかなあ。

 夏休みに向け、欝々と悩んでいる私であった。