悩めるママの子育て徒然日記

30代主婦 今年の夏に三人目を出産予定 現在は妊娠糖尿病にかかり、治療中 趣味は料理、散歩、読書 旦那さんからは『悩むことが趣味』と言われている

朝のハプニング

 最近、上の子ちゃんは朝、登校班の集合時間ぎりぎりに家を出る。

 少し早く行くと、誰もいないというのもあるけれど、まあ、大抵は、のんびりしていて準備が間に合わないのだ。

 先日もそんな感じで、集合時間ぎりぎりに家を飛びだしていった。

 やれやれ。

 送り出して、ほっと一息。

 玄関付近の床を掃除していたら、外から泣き声が聞こえた。

 そして、玄関のドアノブをガチャガチャと回す音。

 もしかして、上の子ちゃん?

 慌てて、扉を開ける。

 案の定、上の子ちゃんが泣きながら立っている。

『忘れ物でも取りに来たのだろうか・・・?』

「どうしたの?」と聞くと、「遅かったから、みんなに置いてかれちゃった」と言う。

『そんな、ばかな!』

「今日、休むって伝えてないし、勝手に行っちゃうことはないと思うけれど」

「でも、誰もいないんだもん」

 上の子ちゃんが、わっと泣き出す。

 私は時計を見ながら、頭の中で上の子ちゃんを学校へ送っていけるか考える。

 問題は、旦那さんの出勤時間までに家に戻れるか、だ。

 戻ってこられないと、下の子ちゃんが家で一人になってしまう。

 私がこのお腹でなければ、何とかなりそうだけれど。

 でも、ゆっくり考えている時間はない。

「旦那さん、旦那さん」

 朝食を食べている旦那さんに、急いで相談する。

「どうやら、みんなに置いてかれちゃったみたいだから、送ってくね」

「えっ!」

 旦那さんの驚いた声。

 急いで家を出る準備を始めると、家の窓を開ける音がした。

「みんな、集合場所にいるぞ」 

 どうやら、旦那さんが外の様子を確認してくれたようだ。

「みんな待たせちゃってるみたいだから、早く行こう」

 まだ泣いている上の子ちゃんをひとりで行かせるのは心配だったので、一緒についていくことにする。

 みんなが待っている集合場所に行く途中で、上の子ちゃんに、「遅れた理由を説明して謝っておきなよ」と言っておく。

 上の子ちゃんは頷いたものの、いざ、待っているみんなの姿を見た途端、立ち止まってしまった。

 待っているみんなも、泣いている上の子ちゃんを見て戸惑っている。

『仕方ない。私から説明しよう』

 待っている子供達に近づこうとして、はたと気づく。

『しまった!マスク、忘れた・・・』

 とりあえず、その場に立ち止まり、上の子ちゃんに集合場所までいくよう促す。

 そして、口を手で覆い、その場から大きな声で説明する。

「少し早く集合場所に行ってしまったみたいで、皆さんがいなかったので置いてかれたと勘違いしてしまったみたいです。ご迷惑おかけして、ごめんなさい」

 なんとか通じたようで、子供たちは、「ああ」という感じで、頷いてくれた。

 子供たちが、いつものように列に並ぶ。

 上の子ちゃんも、少し気持ちが落ち着いたようで、先頭のお姉さんの隣について歩く。

『もう、大丈夫かな』

 ひとまず、一件落着。

 私は急いで家に戻る。

 まだまだ、やることは沢山残っている。

 

 午後になって、上の子ちゃんを迎えに行く。

 迎えに行くと行っても、学校までではなく、家の近くでうろうろしているくらいだけれど。

 少し歩いていたら、小学生の子達の姿が見えた。

『身体が大きいから、上の子ちゃんより上の学年の子達だな』と思っていたら、端っこにはひとり、小柄な子がいる。

  よく見ると、上の子ちゃんだった。

 そして、一緒に歩いているのは登校班の子達だ。

『ちょっと、お邪魔だったかな・・・』

 近づいてきた上の子ちゃんに、「もしかして、一斉下校だった?」と尋ねる。

 上の子ちゃんは「違う」と言う。

 どうやら、帰って来る途中で一緒になったようだ。

 思い返してみると、今までもそうやって、一緒に帰って来る姿を何度か見ている。

「一緒に帰れて良かったね」

 そう言うと、上の子ちゃんは嬉しそうに「うん」と頷く。

 そして、照れ臭そうに「でも、恥ずかしくて、なかなか話せないんだ」と言う。

 私は「そっか」と相づちを打つ。

 上の子ちゃんは恥ずかしがり屋だ。

 慣れるまでに時間が掛かる。

 それでも、気にかけて一緒に帰ってくれる。

 そういう人たちがいてくれる班で良かったな、と思う。

 

「今日はさ」と上の子ちゃんが話始める。

「遅刻だと思って急いで行ったら、誰もいなかったから驚いちゃったんだ」

 あのパニックぶりを見ると、本当にびっくりしたのだろうな、と思う。

 でも。

「上の子ちゃんが一人にならないように、一緒に帰ってきてくれるんでしょ。だから、そんなことはしない気がするよ」

「そうだね」

 上の子ちゃんがにこりと笑う。

 朝からちょっと疲れてしまったし、ほっこりというには、あまりにも外は暑すぎるけれど。

 なんだか優しい気持ちで、家路についたのだった。