菜の花のお浸し

　私は、旦那さんのおかあさんが作ってくれる菜の花のお浸しが大好きだ。菜の花は、おかあさんの畑で採れたものを使っている。鮮度の違いだろうか。食べると、シャキシャキとした歯ごたえに加え、特に茎の部分の甘みが強い。普段、スーパーで買うものとは全く味が違う。

　そのことを旦那さんのおかあさんに伝えたら、「うちのお浸しは、色々な野菜の菜の花を集めているからかしら」と言われた。

「えっ。菜の花って一種類じゃないの？」

　驚いた。スーパーでよく見る「なばな」が菜の花だと思っていたから。

　興味をそそられて、詳しく聞いてみることにする。どうやら、おかあさんがお浸しで使っている菜の花は、私が知っている「なばな」の他にそれこそ、冬に作って残ってしまった白菜や小松菜から出てきた蕾も使っているらしい。言われてみれば、おかあさんからもらう菜の花は太さも葉の形も不揃いだった。

「採れたてっていうのもあると思うけれど、色んな野菜を集めている分、うまみも色々と混ざっているのかな」

　本当のところ、どうしてこんなに美味しいかはわからない。けれど、白菜や小松菜の蕾が美味しく頂けることを初めて知ったのだった。