難問
週末、家族と車で外出。運転は旦那さん。車の助手席には私、後部座席には子供達二人が座る。
車が発進してしばらくすると、上の子ちゃんが下の子ちゃんに話しかけた。
「ねえねえ、クイズしよう」
「いいねえ」と下の子ちゃん。「私が出すね」とノリノリだ。
「じゃあ、すみッコぐらしの中で、私が好きな のなーんだ。①ねこ、②しろ くま、③とんかつ」
すみっコぐらし大好きな下の子ちゃん。早速、好きなものから出題だ。
「ねこ!」
「ブッブー」
「しろくま!」
「ブッブー!」
「えっ?じゃあ、とんかつ?」
最初は勢いがあったものの、最後は自信なさげに答える上の子ちゃん。
「ブッブー。答えは・・・とかげのおかあさん!」
得意げに答える下の子ちゃん。上の子ちゃんは不服そう。そりゃそうだ。その答え、選択肢になかったもんね・・・。
「じゃあ、次の問題。今度は、鳴き声クイズね」
マイペースな下の子ちゃん。上の子ちゃんに構わず、クイズを続行する。
「わんわん」
「イヌ!」
「正解。にゃーにゃー」
「ネコ!」
「正解。じゃあ、次は・・・ぴょんぴょん!」
「ウサギ!」
「ブッブー。答えはカエルでした」
「そっかぁ」
悔しそうな上の子ちゃん。いや、待って。カエルの鳴き声って違うよね。というか、ぴょんぴょんって鳴き声かな・・・。
「じゃあ、次は、英語!DOG」
「イヌ!」
「CAT」
「ネコ!」
「DUCK」
「アヒル!」
「ブッブー。答えはクワックワです」
あー。上の子ちゃんが声を上げる。だめだ!耐えきれず、吹き出す。もはや、上の子ちゃんが気の毒だ。
「じゃあ、次はパパに出すよー」
突然、旦那さんにクイズを振る下の子ちゃん。旦那さんが身構える。
「タマネギ!」
???みんなの頭の中に疑問符が浮かぶ。
「タマネギ!」
下の子ちゃんが繰り返す。
「・・・タマネギ?」
旦那さんが繰り返すと「ピンポーン」と下の子ちゃん。初めての正解だ。でも、これ、そもそもクイズとして成立してる?
その後も、上の子ちゃんと下の子ちゃんは、楽しげにクイズを出し合っている。その姿がなんとも微笑ましい。
「ねえねえ」
隣で運転している旦那さんに話しかける。
「年の近い兄弟って、小さいうちは育てるのが大変だったけれど、少し大きくなって、こうやって仲良く遊んでいる姿を見ていると、がんばって育ててよかったなあって思う」
「そうだね」と旦那さん。ここまで子供が育つのに、一緒に苦労してきたもんね。
麗らかな春の休日。子供たちの明るい話し声を背中越しに聞きながら、幸せだなあと思った。