下の子ちゃんのヘアサロン
最近、下の子ちゃんは髪をいじることに興味があるらしい。
夜、お風呂上りに私がドライヤーで髪を乾かしていると、ヘアブラシを片手にやってくる。
「髪をおときしましょうか」
お願いすると、拙い手つきで一生懸命、私の髪を解いてくれる。
そして、日中、一通りの家事を終え、一休みしていると、今度は髪飾りの入った小物入れを持ってやってくる。
「髪を結んでもいいですか」
面白いから、「どうぞ、どうぞ」と好き勝手にやらせている。下の子ちゃんは何個もヘアゴムを使って、私の髪を結んでくれる。
上の子ちゃんも時々、下の子ちゃんに結んでもらっているようだ。そんな時は、上の子ちゃんの髪に沢山のお花が咲く。
一度、髪を結んでもらった時、そのことを忘れて外に出かけようとしたことがあった。幸い、鏡の前を通ったときに、髪が何方向かにピョコピョコと飛び出しているのが目に入って、慌てて取り外した。その夜、髪を洗ったら、さらにヘアゴムが一つ落ちてきた。
一体、いくつ結んであったのだろう。
それ以来、ある程度時間がたつと、念入りに髪を調べながら、ヘアゴムを取り外すようにしている。
そんな下の子ちゃんの将来の夢はいっぱいあるのだが、その一つが自分のヘアサロンを開くことだ。
「大きくなったら、ママの髪も切ってあげるね」と言われている。
私はもともと美容院へ行くのが苦手だ。コロナ禍になってからは自前でやっている。
もし、下の子ちゃんにお願いできるなら、ぜひともお願いしたい。
それにしても、いつの間に髪を結べるようになったのだろう。
子供の成長は本当に早い。
だから、なるべく、今、一緒にいられるこのひと時ひと時を、大切にしていきたいなと思っている。