けんか

　私には一人、妹がいる。性格が正反対で、母からはよく「足して二で割るとちょうどよいのに」と言われてきた。もちろん、仲も悪くて、しょっちゅう喧嘩していた。大人になるにつれ、少しずつお互いを受け入れることができるようになってきて、今では『子育て』という共通点のもと、細々とつながっている。

　さて、我が子たちはというと、わりかし仲がいい方だと思う。家に居る時は、毎日、二人で遊んでいる。勿論、喧嘩もする。特に、小さい時は、しょっちゅう、喧嘩していた。当然だ。下の子ちゃんには、全く話が通じないし、下の子ちゃん自身、自分の意思をうまく伝える術もない。そうなると、下の子ちゃんはどうしようもなくなって、手を出したり、物を投げたりという手段にでる。結果、上の子も怒りだして・・・。大惨事になる。

　今は、お互い、意思疎通できるようになったので、口喧嘩が主流である。そして、私が間に入ることも少なくなってきた。というよりも、極力、入らないようにしている。なぜなら、言い合いをしながらも、子供たちはお互い、妥協点を見つけようとしているのが分かってきたからだ。

　勿論、最初は、お互いの意思を譲らないから、ののしり合いとなる。けれど、しばらく様子を伺っていると、少しずつ、時には泣きながら、相手に提案し始めるのだ。そのうち、お互いが納得しだして、最後はなぜか笑っている。

　二人を見ていると、兄弟というのは、互いが、人間関係を学ぶいい練習台になっているように思えてくる。見守っている間は、内心ひやひやするし、口出ししたくなる時も多々あるけれど。

　それでも、子供たちはこれから家を飛び出して、色々な人たちと関わっていくのだ。どうしたら、うまく人間関係を築いていけるのか。お互い、試行錯誤しながら良い関係を築いてゆけるようになっていってほしいと思う。