悩めるママの子育て徒然日記

30代主婦 三児の母 趣味は料理、散歩、読書 旦那さんからは『悩むことが趣味』と言われている

食事

 我が子たちは、食欲よりも睡眠欲の方が勝るらしかった。いつも食べ終える前に寝てしまう。寝てしまうと、一時間くらい起きないし、無理やり起こせば延々と大声で泣き続ける。楽しい食卓にしたいのに、毎回ストレスが溜まる。

 どうにか、眠らせずに食べさせることはできないか。考えた末、我が家では食事中にテレビをつけることにした。我が家は滅多にテレビをつけない。だから、テレビをつけると子供たちは夢中になってみる。その間に、口の中に食べ物を詰め込むのだ。

 ただ、私はこの方法が好きではなかった。子供たち自身が何を食べているのかわからないまま、口だけを動かしているように思えたからだ。せっかく子供たちのために作った食事だ。できれば、味わって食べて欲しかった。

 けれど、テレビをつけてよかったと思うこともあった。子供たちがテレビの内容について、尋ねてくるのだ。「今、どうしてこの人はこう言ったの?」とか「○○ってどういう意味?」とか。子供達と食事中に少し会話ができるようになったのだ。

 私は、食事中を家族がコミュニケーションを図る場にしたかった。勿論、そう試みようとしたことは幾度かある。

 けれど、うまくいかなかった。

 会話が続かないのだ。

 例えば、上の子ちゃんの場合。

「今日は幼稚園で何をしたの?」

「お部屋の中をずっと歩いていました」

「一人で?」

「ひとりで」

「それって、楽しい?」

「うん」

「あとは?」

「それだけ」

「・・・。」

(毎回この回答ばかりだから、むしろ、上の子ちゃんの幼稚園での様子が心配になって、幼稚園の先生に電話してしまった。どうやら、部屋の中を歩いているのは、歩きながら、友達が何をして遊んでいるか色々と見て回っているからで、ずっと歩いているわけではなく、友達とも楽しく遊んでいるようだった。)

 という具合に、なぜだか、幼稚園でのことをあまり話してくれないのだ。

 そして、下の子ちゃんはというと、ずっと一緒にいるから、あまり話すことがない。せめてもと、その日に出したおかずについて「これはどうかな?」と感想を求めてみるが、あまり盛り上がらない。そのうち、下の子ちゃんの目が虚ろになっていく・・・。

 このような感じで、私の目指す『会話のある食卓計画』は毎回、頓挫を繰り返し、その度にテレビをつけるという方法に戻ってきたわけだけれど・・・。

 今回、また、テレビをつけることをやめた。理由は二つある。

 一つ目は、テレビをつけると、寝ることはないけれど、夢中になりすぎて口も止まってしまうのだ。その度に、「食べて」と注意することがストレスになってきた。

 そして、二つ目は、下の子ちゃんがとうとう、自ら食べることを放棄して、口を開けて私に食べ物を入れてもらうのを待つようになったからだ。さすがにこれはいけないと思い、何度もスプーンやフォークを持つよう注意した。けれど、まったく聞く耳をもたない。

 それならば、と思い、今回もう一度、挑戦してみたのだ。

 結果、食事中によく喋るようになった。それも、二人ともが、だ。むしろ、おしゃべりに夢中になりすぎて、食べることがおろそかになることすらある。ただ、テレビをつけている時よりも、断然に注意する回数は減ったし、食べる時間も短くなった。そして、なにより食べ終えるまで寝なくなった。

 さすがに、この結果には私も驚いた。ちょうど、寝ないだけの体力がついたとか、いろいろと思うことを喋れるようになったとか。良い具合に子供たちの成長のタイミングとあったのだろうか。

 今までの失敗が嘘のようである。

 こうして、我が家は最近、食事中に会話をするようになった。話題はその日その日によって変わるが、必ず、食事に出されているおかずが話題に上る。

 ようやく、私の念願が叶ったのだ。

 時々、どうしてもと子供にせがまれ見せることもあるが、私は、やっぱり会話をしながらの食事の方が好きだ。これから、子供達二人と離れる時間ができる。子供たちが体験してきたことを食卓で聞かせてもらえるといいなと思う。