悩めるママの子育て徒然日記

30代主婦 三児の母 趣味は料理、散歩、読書 旦那さんからは『悩むことが趣味』と言われている

下の子ちゃんの推し

 恥ずかしがり屋の下の子ちゃん。普段はとっても元気でおしゃべりな女の子。

 お散歩している時も、自作の歌を大きな声で歌いながら、道の真ん中を歩いている。

 でも、ちらりと見知らぬ人が視界に入ると、歌うのを止め、そそくさと道の端に寄る。さらに、その人が「こんにちは」などと声を掛けようものなら、顔を伏せ、私の足にしがみつき固まってしまうのだ。

 まだ、知らない人が怖いのだと思う。ただ、挨拶は人とコミュニケーションを図るうえで、大切なことだ。なので、そういう場合は、私が相手に挨拶をして見せ、その後で「挨拶は大切だよ」と言い聞かせている。

 

 そんな下の子ちゃんにも、まだ挨拶はできないものの、会えば必ずと言っていいほど自分から手を振る相手がいる。

 その相手とは、ゴミ収集作業員さんである。

 お散歩している時、ごみ収集車特有の「ブーン」という音が聞こえると、下の子ちゃんはきょろきょろとあたりを見回す。そして、ごみ収集車を見つけるや否や、勢いよく駆けだしていく。勿論、私も急いで後を追う。下の子ちゃんは、ゴミ収集車の近くで足を止め、作業員さんがゴミを収集車の中に放りこむのをじっと眺める。作業員さんが手際よくゴミを回収し車に戻ろうとすると、下の子ちゃんは作業員さんに向かって、まずは控えめに手を振る。それに気づいた作業員さんは、必ず手を振り返してくださる。すると、下の子ちゃん、今度は満面の笑みで大きく手を振るのである。

 ある朝、こんなことがあった。その日は、天気がいいので近所をのんびりお散歩していた。すると、ちょうど、作業員さんがゴミの回収をしているところに遭遇した。下の子ちゃんはいつものように作業員さんに手を振る。作業員さんもそれに応えて手を振り返してくれた。

 また、少し歩いていたら、私たちの目の前に先ほどのゴミ収集車が現れた。それに気づいた下の子ちゃんが、向かってくるゴミ収集車に向かって手を振った。すると、作業員さんも笑顔で手を振り返してくれたのだ。

「良かったね。今日は二回も会えたね」

 そう声を掛けたら、下の子ちゃんは嬉しそうに頷いた。

 さらに、しばらく歩いていたら、「ブーン」と聞きなれた音がした。まさかなっと思っていたら、また、例のゴミ収集車が現れた。どうやら、その日は運よく、ゴミ収集車が走る経路近くを散歩していたらしい。作業員さんたちも私たちの姿に気づいたようだ。思わず、お互い笑ってしまう。そして、擦れ違いざま、私も下の子ちゃんも作業員の方々も、みんな満面の笑みで手を振った。

「ふふふ。ママ、三回も会っちゃった」

 下の子ちゃんはとっても嬉しそう。

 もう、すっかり、清掃員さんのファンである。

 いつも、お仕事お忙しい中、温かい対応をして下さる清掃員さんには、本当に感謝、感謝だ。

 

 さて、そんな下の子ちゃんもついに今年から幼稚園。先日行われた入園式では、幼稚園の門をくぐるや否や、先生たちの姿を見つけて早速、人見知り。先生方に「上の子ちゃんが恥ずかしがる時とそっくり!」と言われてきたらしい。

 上の子ちゃんも、少し前までは下の子ちゃん同様、とっても恥ずかしがり屋さんだった。けれど、今では、見知らぬ人にもきちんと大きな声で挨拶ができるようになった。

 これから、沢山、新しい出会いがある下の子ちゃん。最初は怖いかもしれないけれど。少しずつでいい。心を開いてゆけるといいね。