悩めるママの子育て徒然日記

30代主婦 三児の母 趣味は料理、散歩、読書 旦那さんからは『悩むことが趣味』と言われている

あれやこれ

 幼稚園へ行くようになってから、下の子ちゃんはよく歌を歌うようになった。

 朝でも夜でもお風呂の中でも。

 楽しそうに歌っている。

 どれも、幼稚園で教わってくる歌だ。

 ご丁寧に振付までしてくれる。

 あまりに楽しそうに歌うから、私もつられて歌ってしまう。

 

 先日、下の子ちゃんの個人懇談があった。

 先生から幼稚園での様子を聞く。

 おままごとをしたり、工作をしたり。

 積極的に、遊んでいるらしい。

 最近のお気に入りは、プラレールだそうだ。

 ちょっと意外で、驚く。

 上の子ちゃんは小さい頃、汽車や乗り物が大好きだった。

 だから、我が家にはプラレールが置いてあって、上の子ちゃんはよく遊んでいた。

 でも、下の子ちゃんが遊ぶことはあまりなかった気がする。

「へえ、下の子ちゃん、プラレールで遊んでいるんですか」

 幼稚園へ行くようになって、色々な刺激を受けているのだなと思っていたら、どうやら、少し違うらしい。

 下の子ちゃんのお気に入りはプラレールの『踏切』だ。

 その踏切は電車が通ると音が鳴るらしい。

 下の子ちゃんはそれを片時も離さず、おままごとをしている時も、工作をしている時も、気が向くと鳴らすのだそうだ。

「どうして、踏切を持ち歩いているの?」と尋ねたら、「面白いから」と言う。

 新手の楽しみ方である。

 そして、我が家のプラレールの中にもお気に入りを見つけたらしい。

 自動ポイントレールだ。

 そのレールを横抱きにし、黄色いポイントの切り替え部分をカシャカシャと指で鳴らして、ギター代わりにしている。

 もちろん、歌付きだ。

 なかなか、様になっている。

 幼稚園でも披露したらしく、お友達から「ギター、いいねえ」と羨ましがられたらしい。

 何を歌っているのと聞いたら、プ〇キュアとかリュ〇ソウジャーだという。

 なんだか、賑やかで楽しそうだ。

 一度でいいから、幼稚園で下の子ちゃんが遊んでいる様子を見てみたい。

 

 下の子ちゃんは幼稚園へ行くとき、不織布のマスクをしていく。

 リュックの中に数枚、替えのマスクを入れているのだが、必ず、替えのマスクを使ってくる。

 本人曰く、「汚れたから替えた」らしい。

 でも、朝つけていったマスクを見てみても、汚れている気配はなくて、単に気分の問題なのかな、と思ってしまう。

 使い捨てのマスクだから、毎日、名前を書かかなければならないのだけれど、いたずら心で、ある時からちょっとした絵を添えるようにした。

 テントウムシとかお花とか。

 それが、どうやら、下の子ちゃんのお気に召したらしい。

 その日から、マスクを替えることが無くなった。

 しかも、生き物を書いた日には、「女の子だから」という理由で、まつげなどを付け足す。

 なんだか、化け物みたいになっている。

 恐竜を描いたら、なぜか青一色に塗りたくられた。

「どうして、全部塗っちゃったの」と聞いたら、「ハロウィンに出てくる怖い恐竜なの」と言う。

 よく分からないけれど、本人はご満悦でつけてくれているので、良しとする。

 

 下の子ちゃんは、ちょこちょこ言い間違いをする。

 カエルのキャラクターの『ケロケ〇ケロッピー』を『ケロッパー』と言う。

 なんだか最後の響きが可笑しくて、笑ってしまう。

 すると、傍に居た旦那さんに「君の血だねえ」と揶揄われた。

 確かに、私もよく、どこか言葉がおかしい時がある。

 自分でも、違和感を抱くのだけれど、どこを間違えているか分からない。

 お陰で、旦那さんからはいつも、「間違い探しのようだ」と言われている。

 この間、突然、背後から下の子ちゃんが「くらめしや~。くらめしや~」と言ってきた。

 振り向くと、両手を胸の前でだらりと下げてこちらを見ている。

「うらめしや~だよ」と間違いを指摘すると、「くらめしや~だ」と言い張る。

 近くで聞いていた上の子ちゃんがすかさず、「下の子ちゃん、うらめしや~だよ」と言う。

 すると、どうだろう。

 下の子ちゃんは「うらめしや~」言いなおしたのだ。

 どうやら、私は下の子ちゃんの信用を失っているらしい・・・。

 

 上の子ちゃんは、分からない問題があると、よく一人で怒っている。

「これ、難しいよ~」から始まり、最終的には「私、馬鹿なんだ~」と泣きながら怒る。

「今日も派手に怒っているね」と呟くと、旦那さんが「君そっくり」と言う。

 あまり認めたくないけれど、よく一人で怒っているのは確かだから。

 言い返せないのが辛い。

 

 私がよく怒っている時でも、下の子ちゃんはお構いなしに私の所へやって来る。

抱き着いて着たり、お願い事をしてきたり。

 あまりにも平然と近寄って来るから、「ママ、今、怒っているのだけれど、怖くないの」と何回か尋ねたことがある。

 いつも、「全然、怖くない」と言われる。

 多分、私の怒りの矛先が自分に向かないポイントを心得ているのだろう。

 そんな下の子ちゃんは、私の胸きゅんポイントもよく心得ている。

 時折り、いたずらっ子のような笑みを浮かべ、舌を横にちらりと出してみたり(どこで、こんな顔を覚えたのだろう)、うつぶせになり、座布団を背中に乗せ「座布団ガメ」と言ってみたり。

 疲れている時でも、下の子ちゃんを見ていると、くすりと笑って元気が出る。

 思わず、「下の子ちゃん、かわいいねえ」と口走ると、「わぁー」と上の子ちゃんが大げさな泣き真似をする。

「私は可愛くないんだー」

 いやいや、一言もそんなこと言ってないよ。

 上の子ちゃんも、十分にかわいい。

 

 親ばかだけれど、下の子ちゃんがあまりにもかわいいポーズばかりするから、上の子ちゃんがいないときに、こっそり聞いてみた。

「ねえねえ、下の子ちゃん。どうして、そんなにかわいいの?」

 下の子ちゃんがどう答えるか、ちょっとした興味もあった。

「それはね」と下の子ちゃんが、はにかみながら答える。

「ママのお腹から生まれたから」

 あまりにも完璧な答えに、何も言い返せない。

 ただ、頭の中で(自分が育てているのだけれど)どうやって育てたら、こんな子に育つのかしらん、などと思ってしまったのであった。